MENU

睡眠時間は季節によって変化!季節に応じた睡眠環境の作り方!

本記事では、厚生労働省が公開している「健康作りのための睡眠ガイド2023」[文献1]を参考に、季節に応じた睡眠環境の作り方について解説していこうと思います。

目次

季節による睡眠の変動とその原因

私たちの睡眠時間は、実は季節によっても変動します。夏季と冬季では、睡眠時間に10〜40分程度の違いがあることが示されています。[文献2-6]この季節ごとの変化の主な原因としては、日長時間(日の出から日の入りまでの時間)の変化が挙げられます。

冬季の睡眠時間が長くなる理由

冬になると、睡眠時間が長くなる傾向があります。実際、冬季には睡眠時間が夏季に比べて10〜40分程度長くなることが分かっています。この変化の背景には、日長時間の短縮が影響していると考えられています。冬は日が短く、日照時間が少なくなるため、体内時計が自然と早い時間に眠りにつくように働き、結果的に睡眠時間が長くなるのです。また、冬は気温が低く、寒さによって身体がリラックスしやすくなるため、より深い眠りを得やすいという要素もあります。

夏季の睡眠時間が短くなる理由

一方、夏季になると睡眠時間は短くなる傾向が見られます。特に、夏季は睡眠の質に影響を与える要素がいくつかあります。まず、日長時間が長くなるため、日が長いと自然と寝る時間が遅くなり、結果的に睡眠時間が短縮されがちです。また、暑さや湿度が高い寝室環境も、夏季の眠りに影響を与える要因となります。高温・多湿な寝室では、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなりやすいことが知られています。これらの要因により、夏は他の季節よりも寝つきが悪く、眠りが持続しにくいことが多いのです。

季節ごとの睡眠の質を向上させるためのポイント

季節ごとに睡眠時間や睡眠の質に変化があることを理解し、それに適応した生活習慣を取り入れることが大切です。

  • 冬季の睡眠: 寒さを感じると寝つきやすくなりますが、部屋の暖房が強すぎると逆に乾燥し、眠りの質が下がることがあります。適度な温度で、湿度を保つように心掛けましょう。また、冬は日が短くなるため、早めに寝室を暗くして寝る準備を整えることが、良質な睡眠を促します。
  • 夏季の睡眠: 暑さや湿度が睡眠の質を低下させるため、寝室の温度や湿度を調整することが重要です。エアコンや扇風機を使って涼しい環境を作り、寝具も軽く通気性の良いものを選びましょう。寝室の温度は理想的には22度前後が快適と言われています。また、夜遅くまで明るいため、暗いカーテンやアイマスクを使って、環境を整えることが効果的です。

まとめ

季節による睡眠時間や質の変動は、日長時間の変化や気温・湿度の影響を受けています。冬は日照時間が短くなることで睡眠時間が長くなる傾向がありますが、夏は逆に睡眠時間が短縮されやすく、寝つきや眠りの持続が難しくなることがあります。季節ごとの特性を理解し、それに合わせた寝室環境や生活習慣を心がけることで、より良い睡眠を得ることができるでしょう。季節の変化にうまく対応して、健康的な睡眠を維持しましょう。

参考文献

[1] 健康作りのための睡眠ガイド2023

[2]Rosen LN, Rosenthal NE. Seasonal variations in mood and behavior in the general population: A factor-analytic approach. Psychiatry Res 38: 271-283, 1991.

[3]Okawa M, Shirakawa S, Uchiyama M, Oguri M, Kohsaka M, Mishima K, Sakamoto K, Inoue H, Kamei K, Takahashi K. Seasonal variation of mood and behaviour in a healthy middle-aged population in Japan. Acta Psychiatr Scand 94: 211-216, 1996.

[4]Volkov J, Rohan KJ, Yousufi SM, Nguyen MC, Jackson MA, Thrower CM, Stiller JW, Postolache TT. Seasonal changes in sleep duration in African American and African college students living In Washington, D.C. Sci World J 7: 880- 887, 2007.

[5]Suzuki M, Taniguchi T, Furihata R, Yoshita K, Arai Y, Yoshiike N, Uchiyama M. Seasonal changes in sleep duration and sleep problems: A prospective study in Japanese community residents. PLoS One 14: e0215345, 2019.

[6]Li L, Nakamura T, Hayano J, Yamamoto Y. Seasonal sleep variations and their association with meteorological factors: A Japanese population study using large-scale body acceleration data. Front Digit Heal 3: 1-11, 2021.

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次