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朝食と睡眠の関係:体内時計を整えるための朝の習慣

睡眠の質を高めるためには、環境やライフスタイルを整えることが大切です。中でも「朝食」が重要な役割を果たしていることをご存じでしょうか? 朝食は、単にエネルギーを補充するためだけではなく、私たちの体内時計の調整にも大きく関与しています。

本記事では、厚生労働省が公開している「健康作りのための睡眠ガイド2023」[文献1]を参考に、朝食を摂ることの重要性や、食事習慣が睡眠に与える影響について詳しくご紹介します。

目次

朝食が体内時計を整える

私たちの体内時計は、光や食事などの外的要因によってリズムが調整されています。特に、朝日を浴びることが体内時計をリセットし、眠気を取り除く効果があることは広く知られていますが、実は「朝食」も同じように体内時計を調整する重要な役割を担っているのです。

近年の研究では、朝食を1週間程度欠食すると、体内時計が後退し、遅寝・遅起きの生活リズムに変化することが明らかになっています。[文献2]また、朝食を欠食すると、体内時計が遅れることで寝つきが悪くなり、睡眠不足を生じやすくなるとの報告もあります。[文献3]

夜食や間食が睡眠に与える影響

夜食や間食も睡眠に影響を与える重要な要因です。就寝前に食べることは、体内時計を後退させるため、翌朝の睡眠休養感や主観的な睡眠の質を低下させることがわかっています。[文献4-5]

さらに、夜食や間食を過剰に摂取すると、健康に悪影響を及ぼすこともあります。夜遅くに食べることは、肥満や糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の発症リスクを高める可能性が指摘されています。[文献6-7]睡眠の質を向上させるためには、夜遅くの食事を控えることが重要です。

食塩の摂取と夜間頻尿

食塩の摂取量も、睡眠に影響を与える要素の一つです。日中に摂取した食塩は、睡眠中に体内から排泄されますが、過剰な食塩の摂取は夜間に排尿回数を増加させる原因となります。[文献8]これにより、夜中に何度も目が覚めてしまい、睡眠の質が低下します。

日ごろから減塩を心がけることで、夜間頻尿が軽減され、夜中に目覚める回数が減少することが期待できます。[文献9]夜間のトイレに起きることが減ると、深い睡眠を得やすくなり、より休養感のある眠りが実現できるでしょう。

まとめ

睡眠の質を高めるためには、朝食の摂取が重要であることがわかっています。朝食を抜くと体内時計が乱れ、睡眠の質が低下してしまいます。また、夜食や間食、過剰な食塩摂取も睡眠に悪影響を与えるため、食生活に気を付けることが大切です。

良質な睡眠を得るためには、規則正しい食事のタイミングを守り、夜遅くの食事を控えること、減塩を意識することが効果的です。これらの習慣を取り入れることで、より深い眠りを得ることができ、日々の疲れをしっかりと回復させることができます。

参考文献

[1] 健康作りのための睡眠ガイド2023

[2]Ogata H, Horie M, Kayaba M, Tanaka Y, Ando A, Park I, Zhang S, Yajima K, Shoda J-I, Omi N, et al. Skipping breakfast for 6 days delayed the circadian rhythm of the body temperature without altering clock gene expression in human leukocytes. Nutrients 12: 2797, 2020.

[3]Tambalis KD, Panagiotakos DB, Psarra G, Sidossis LS. Insufficient sleep duration Is associated with dietary habits, screen time, and obesity in children. J Clin Sleep Med 14: 1689-1696, 2018.

[4]Wehrens SMT, Christou S, Isherwood C, Middleton B, Gibbs MA, Archer SN, Skene DJ, Johnston JD. Meal timing regulates the human circadian system. Curr Biol 27: 1768-1775.e3, 2017.

[5]Shimura A, Sugiura K, Inoue M, Misaki S, Tanimoto Y, Oshima A, Tanaka T, Yokoi K, Inoue T. Which sleep hygiene factors are important? Comprehensive assessment of lifestyle habits and job environment on sleep among office workers. Sleep Health 6: 288-298, 2020.

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